インカレSDGsプロジェクト 境川・清住緑地ベンチ製作実習 報告
静岡大学 地域創造学環3年の古田采音です。
9月14日~16日の3日間、静岡県三島市にて行われた、境川・清住緑地ベンチ製作実習の報告をさせて頂きます。今回は大学生・高校生・中学生が3班に分かれ、共同で4種類のベンチを計6基製作しました。
1日目はグラウンドワーク三島と加和太建設の皆様のサポートを受けながら、早速材料の切り出しから始めます。初対面の人同士は少しドキドキ。慣れない設計図を見ながら、マークを付ける役割やのこぎりで切る役割に分かれ、コツコツ作業を進めていきました。昼食を三島の街中でとった後は、切り出した木材に防腐剤を塗っていきました。手が真っ黒になるまで頑張って塗ってくれた人も。
また、加和田建設の方々にインパクトドライバーの使い方も教えていただきました。最初は力加減に戸惑いましたが、「はじめはゆっくり、まっすぐ力をかけていく」と明日の組み立てに向けて感覚を掴むことが出来たため、夕方には1日目の作業が終了です!
夕食は、三島市商工会議所においてバイキング形式で中華料理を頂きました。(特に天津飯や炒飯が人気でした!)その後は一人ずつ自己紹介と1日目の振り返りをしました。出身も年齢も部活も趣味も、バラバラな学生同士で1つの物をつくり出す機会は、なかなか無いはず。みんなで素敵なベンチを完成させたいという思いが強まりました。振り返りでは、「段取りと気配りを改善するために、もっとコミュニケーションを大切にしていきたい」などの声が挙げられました。
2日目は、木材を組み立てる段階から始めました。朝には中口先生より、「バスの乗り方など、周りの方々への気配りをもっと大切にすること」とのお話があったため、完成に向けてさらに周りを見るよう心がけました。各自が進捗状況を確認しながら、仕事量に偏りが無いよう工夫して作業を進めました。「手伝うことありますか?」「これ使って良いですか?」「休憩しておいで」などの声は1日目よりもたくさん。疲れを感じている人もいましたが、なんとか完成させよう!と協力し、無事スケジュール通りにベンチが完成しました!
完成後は境川・清住緑地へ移動して、各班がコンセプトに合った設置場所を探しました。日なたと日陰のベンチや水辺で涼めるベンチなど、座ってみたくなる素敵なコンセプトです。自分の手で作ったベンチに座ってほっと一息・・・本当に嬉しかったです。
2日目の夜は、熱海市にある芝浦工業大学熱海セミナーハウスに宿泊しました。とても豪華でおいしい夜ご飯と、温泉にびっくり!2日間の疲れが癒やされました。夜には、明日の防災訓練に向けた予習と2日目の振り返り、他己紹介を行いました。振り返りでは、「1日目よりも段取りと気配りに注意できた」「自分から仕事を探して効率的に動くことが出来た」などの声が聞かれました。(2日目の夜は話が盛り上がり、ほとんどの人が1時過ぎに寝たようです…。)
最終日3日目の朝は、熱海サンビーチからセミナーハウスへの避難訓練を行いました。部屋別に避難経路図を見る班、そうでない班の計6班に分かれ、時間を計測しました。さらに、道の傾斜や速度、心拍数を測定するアプリを使用したり、消火栓や津波、観光表示にも目を向けたりしながら、各班独自のルートで進みます。正直、熱海の急坂や階段にヘトヘトです。「観光客で道が塞がれてしまうかも」「身体の不自由な方に通りやすい道ではないね」といった気づきがありました。
また、熱海の災害研究を行っている三島北高校の山田さんに、熱海市の防災の現状についてプレゼンテーションして頂きました。観光と防災の両立について、アンケートや自身の検証結果をもとに発表してくれました。綿密な調査と堂々とした発表は本当に素晴らしく、探求の面でも刺激を受けました。また、「避難訓練の時も確かにそうだったな・・・」と、実体験をもとに話を聞くことが出来、より理解が深まりました。
実習の締めくくりとして、3日間の感想を一人ずつ話しました。「体験を踏まえたことで新しい発見が出来た」「他の学校の学生と協働で活動をするのは新たな経験で、楽しく学ぶことが出来た」などの感想が聞かれました。また、後日提出のふりかえりアンケートでは「***前略***ベンチ製作では主に部品作りを担当していましたが、回数を重ねる毎に一通りの工程もわかり他の班の手助けに回ることもできました。今回は自分たちが一番年下だったのでできませんでしたが、今後もう一度このような実習に参加する時は今回優しく接してくださったり自分にできる仕事を割り振ってくださった先輩方のようによい雰囲気づくりに貢献したいです。***後略***」(中学生)
「***前略***夕食付交流会などみんなで喋る機会を設けてくださったおかげで仲良くなることができ、充実したベンチづくりができました。ベンチを公園に設置した時とても嬉しくなり三島の方々また、あの公園を利用する方々に喜んでもらえたらと思います。***後略***」「高校生)、「自分が実際に歩くことで、数値だけでは気づくことのできない部分も多く、フィールドワークの良さがわかった。これからも、図面や地図ばかり見るのではなく、実際に歩いて自分の目で確かめるのを大切にしていきたいと思った。***後略***」」(大学生)といった感想がつづられていました。
総じて、段取りと気配りをキーワードに、環境や防災など非常に多岐にわたる分野を考えるきっかけとなった3日間でした。座学では無く実践を通すことで、自分自身の経験値や引き出しとなるものをまた1つ増やすことが出来ました。一緒に活動してくれたみんな、中口先生、グラウンドワーク三島や加和太建設の皆様、3日間本当にありがとうございました!