本プログラムは、インカレSDGSプロジェクトの一環として、2025年9月23日(火・祝)に千葉県・谷津干潟および谷津干潟自然観察センター(レクチャールーム)で実施しました。江戸川大学の佐藤秀樹准教授に仲介していただき、谷津干潟自然観察センターの永井さんのアテンドしていただきました。10時に開始し、15時までの半日プログラムとして、レクチャーとフィールドワークを組み合わせて進行しました。
参加者は大宮国際中等教育学校の中学生3名と、佐藤准教授および引率者の中口の5名でした。小規模な編成を活かし、導入のオリエンテーションと谷津干潟の基礎講義の後、野鳥観察などのフィールド観察、そして干潟の課題とSDGsのつながりを考える時間へとつなげました。
当日は、センター内での学びと干潟現地での観察を往復する形で、自然と社会を結び付けて考える構成となりました。干潟の生態や歴史、保全の取り組みを学ぶことで、身近な地域から地球規模課題を見通す視点の獲得をめざしました。
目的・ねらい
フィールドワークを通して谷津干潟の環境や生きもの、現状の課題を知る。
湿地と人とのつながりを理解し、干潟の役割を具体例から捉える。
干潟とSDGsの関係性を学び、持続可能な社会づくりに向けた視点を養う。
観察と対話を通じて、課題解決のために自分たちにできることを考える。
当日の様子
集合後、自然観察センターのレクチャールームでオリエンテーションを行い、活動の目的や安全面の確認を共有しました。続いて、谷津干潟の概要、生きもの、歴史、ラムサール条約、センターの取り組み(CEPA)などの基礎講義を受け、午後の観察・探究に向けた視点づくりを行いました。
フィールドでは双眼鏡や望遠鏡の使い方を確認しながら、センターのフロアから淡水池、干潟、アヒル島、谷津川周辺へと移動しつつ野鳥観察を実施。干潟での野鳥の過ごし方や食物連鎖での位置づけを確かめました。観察のまとめでは、見えた行動や生息環境と、湿地が果たす機能の関係を言語化し、次の学びへつなげました。その後、干潟の課題やSDGsの関連について意見を交わしました。
テーマ別の学び・活動内容
谷津干潟の基礎理解と歴史
干潟の広さ・地形といった基礎情報、生息する生きもの、埋め立て以前から現在に至る人と干潟の関わりを学びました。あわせて、ラムサール条約や施設の取り組みについて解説があり、湿地保全の国際的な枠組みと地域の実践を結び付けました。
野鳥観察から読み解く食物連鎖
双眼鏡・望遠鏡の扱いを練習し、野鳥の種類や行動を観察。観察ビンゴや食物連鎖図を用いながら、干潟での鳥たちの過ごし方を手がかりに、生態系のつながりと湿地の役割を具体化しました。
干潟が抱える課題を知る
現地の状況や資料を通じて、アオサの繁茂と腐敗、ホンビノスガイの繁殖と貝殻の堆積、海洋プラスチックゴミの流入といった課題を学びました。これらが生態系や景観、利用の在り方に与える影響を整理しました。
参加者の声
自身の探究分野とは異なるテーマであっても、多くの示唆が得られ、今後の探究を新たな分野へ広げたいという意欲につながったという声がありました。交流面では、案内役や大人と十分な時間(概ね10分以上)対話ができ、理解を深める質問や意見交換が行えたという実感が示されました。
まとめ
谷津干潟という具体的なフィールドで、観察と講義を往還しながら学ぶことで、生態系のつながりや湿地の社会的価値を多面的に理解する機会となりました。特に、野鳥観察を通じて食物連鎖や湿地の機能を自分の目で確かめ、そこからSDGsの目標に結び付けて考える流れは、探究学習の良質なプロセスを体験するものです。小規模な編成での丁寧な観察と対話により、参加者それぞれの関心に即した気づきが生まれ、将来や社会貢献への意欲にもつながったことが示されました。





