さいたま市見沼区自然観察や水質調査を行いました

芝浦工業大学・大学院理工学研究科の金原生奈です。2023年10月21日(土)8:50~12:30、NPO法人「自然観察さいたまフレンド」(以下、さいたまフレンド)さんのご案内・ご指導のもと、見沼区自然観察を行いました。主な活動内容として、埼玉県さいたま市に位置する氷川神社をはじめ、大宮公園や大和田緑地公園の自然環境を観察しつつ、蛇の池(氷川神社)および見沼代用水、芝川の計3箇所の水を採取し、水源の違いによる水質の比較調査を行いました。

↑埼玉県さいたま市見沼区周辺の行動マップ

今回の活動には、芝浦工業大学1年生13人、2年生7人、3年生6人の計26人が参加しました。

JR大宮駅東口「こりすのトトちゃん」の銅像前にて、活動の内容を確認した後、氷川神社・大宮公園コース(1班)と大和田緑地公園・見沼たんぼコース(2班)の二手に分かれ、さいたまフレンドの方々と丁寧な説明と共に、見沼区周辺の湿地時代から現代までの発展、氷川参道の現状と課題等を目の当たりにしながら、観察を進めました。

↑JR大宮駅東口「こりすのトトちゃん」の銅像前にて、活動内容の摺り合わせを行っている様子

昭和初期には鬱々とした杉並木で覆われていたが、時代と共にそのほとんどがケヤキ並木で構成されるようになりました。現在では、車の排気ガスや振動、歩行者による根元の踏み固め等によって、多くの樹木が病気になったり、強風によって倒木してしまったりと、樹木にも人にも危険な環境になってしまっているため、早急な対策と計画的な管理が必要とされているようです。

↑氷川参道のケヤキ並木を進む様子

各々、自然観察を進めていくと共に、立地による水質の違いを調査するために、蛇の池(氷川神社)および見沼代用水、芝川の計3箇所の水を採取しました。

↑見沼代用水の水を採取している様子

その後、大宮第二公園にて合流し、各々採取した水の水質を調査しました。今回は、pH(酸性・アルカリ性)およびCOD(化学的酸素要求量/水中に主に有機物による汚れがどれくらい含まれているか)、PO4(リン酸/水中に食べ物のカスや肥料、樹木や水草、動物の死骸などに含まれているリンの量)の3項目を調査しました。

↑各々の採取した水の検査をするために、必要な試薬の説明を受けている様子

全ての活動が終わり、参加した大学生からは、
氷川神社周辺の感想として、「氷川参道には明治神宮から移設された13mほどの鳥居があり、少し離れてみないと全体が見えないほどの大きさと迫力があった」「氷川神社周辺には天皇が毎年禊をしに来る建物があったり、モダンな住宅でも目隠しのためのフェンスが古風のものになっていたり、町全体に歴史を感じられ、さいたま市風致地区になっているだけあるなと感じた」
水質調査の感想として「水質調査では、用水はPHが高く、蛇の池は用水よりも低いPHが出たので、やはり生活にかかわる場所では肉眼で見て水がきれいだったとしても、どうしても水が汚濁してしまっているのだなと分かった」
見沼区の自然については「見沼田んぼにおいて、なぜ田んぼが少なくなっているのかについて、開発が進んだことや行政の緑の管理があまり行き届いていないことが挙げられているのだと理解できた」「芝川周辺には外来植物のアレチウリが生い茂っており、地元の地域活動としてアレチウリの駆除を行っていたことを思い出したため、芝川の周辺のアレチウリの駆除はあまり行われていないのだと感じた」「芝浦工業大学にとっても、昨今の重要な話題であるナラ枯れについて、県や市の管轄する場所ではどのように対応するか知ることができた」「大宮の自然に関する具体的な活動を知ることができてよかった」
等の感想が寄せられました。

我々の生活に欠かせない水や都市近郊の自然環境の現状と課題を目の当たりにし、その現状に対する改善や対策、管理といった有志ある人の活動があると知ることが出来たことは、学生にとって、大変貴重な機会となったと思います。

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